「Happy Hacking KeyBoard(HHKB) lite2」がなかなかよさげな気がする件

【2019年3月24日】

私が大学に入って出会ったもののうちささやかなるもののひとつに、打ち心地の良いパソコンのキーボードがある。特に気に入っていたのは、大学の図書館でデータベース検索のために置かれているパソコンのキーボードだった。見てみると、モニタにはそのパソコンがHp Compaqのものであることが書かれていた。Hp Compaqというのはその名の示す通り、ヒューレットパッカードがコンパックという会社を買ってできたブランドだったらしいが、今はもうない。一応図書館ではWindows7が動いていたが、デザインといい明らかに古そうだった。しかし、そのパソコンに最初から付属していたのであろうキーボードが、この上なく自分の好みだった。そいつは、打鍵音も大きくて、タッチも重くて、しかも沢山の人に使われてキートップがテカテカになっていたが、私の理想のキーボードそのものに感じられた。しかし、今のhpからは買えそうになかった。実際、2017年の冬にhpからデスクトップパソコンを購入したが、付属していたキーボードはとてつもなくペラペラのどうにもならないやつだった。

「ああいうのどこかで買えないのかな…」

諦めかけた時だった。私はなんとなく入った電気屋で運命の出会いを果たしたのである。

皆さんは「HHKB」というキーボードシリーズをご存知だろうか。

「Happy Hacking KeyBoard」の頭文字を取ってそう呼ばれるこのシリーズは、その大胆なキーの共通化によって画期的な省スペース化を実現し、プログラマーなどの技術者やブロガーに愛好者が多くいると言われている。このシリーズのキーボードは、テンキーはもちろん、Fキーすらも省略されている(※使う時は対応キーをFnキーと同時に押すと使える)ところが独特であり、Controlキーの位置がAの左に来ていたりする。それが使いやすく、「一度慣れたら手放せなくなる」と評しているブログも出てくる。それだけファンが存在しているシリーズということだろう。

で、わたしは、このシリーズの入門機である「HHKB Lite2 PD-KB220B/U(日本語配列、かな無刻印)」に出会い、購入することとなった。この機種は、HHKBの独特なキー配列はそのままにしながらも、上位モデルと違い、格安のキーボードでよく使われているメンブレン方式を採用したもので、その分値段が上位モデルの半額以下になっているというお手軽なやつである。それでも値段は5000円ほどなので購入には一瞬躊躇してしまったが、購入の決め手になったのはその感触だった。

このキーボードのストロークは3.8mmで深めであり、しかもタッチが重い。そう、その感触が、わたしの気に入ったあの図書館のパソコンのものとそっくりだったのだ!

HHKBの本来の機種(たとえば、Professional2とか)ならば、キーの仕様もメンブレンから静電容量無接点方式という高級なものになっているので、その分良いものであろうことは確かであると思う。しかし、今の自分にそれは釣り合わないと考えた。そもそも口座が定価23,000円のキーボードに耐えられない。そしてなにより、Lite2のほうが「図書館のパソコン」に近かった。そうであるから、いまのところは後悔していない。わたしの計画としては、Lite2でHHKBの使い心地を試してみてから、それで気に入ったならProfessional2やBluetoothモデルで正式にHKKBユーザーデビューしてみようかと考えている。とりあえず、今は不便も感じないし良い買い物をしたと思う。

【2019年3月29日追記】

数日使ってみたので、その感想をメモしておく。

①しっかりめの打鍵感

これはこのキーボードを購入するに至った一番の動機だが、この感覚は良い。「押した」という感覚が欲しいなら検討しても良いと思う。わたしはこのキーボードをソフマップで購入したが、売り場にあったキーボードの中でも屈指のタッチの重さであったと思う。この機種はメカニカルスイッチですらなくメンブレン方式であるが、しっかりした打鍵感が5,000円ちょっとで買えるのはお得ですらあると思う。ただ、ずっと使い続けていたらもっとタッチの軽いのが欲しくなるのかもしれない。その時は…まあ、Professional2とかを検討しましょう。

②「底打ち感」がほぼない

これは数日使ってみて気付いたことだが、強い力でキーを押しているのに、指先が全くと言っていいほど痛くならない。このキーボードの前にはS.T.R.I.K.E.TEというどうしようもなくゲーミング用途のUS配列&Kailh茶軸のキーボードを使っていたのだが、それはキーを押すたびに「カツーン!」と底に当たりその衝撃を指が受けてしまうような感じがあった。それが、HHKB Lite2にはない。だから、どこまでも文章を書いていける気がしてくるのである。これはまあ廉価版とはいえ値段も多少はするものであるから普通なのかもしれないが、わたしには新鮮であった。

③打鍵音は豪快→使う場所を考えよう

このキーボードを使っていると、「カチャカチャカチャカチャ…ッターン!!」とやりたくなるくらい大きな音が出る。幸いなことにわたしの環境では周囲に音で迷惑をかける心配はないが、これは職場や外出先にはちょっと持っていけなさそうである。コンパクトでスタイリッシュで、どこにでも持っていけそうなデザインであるから、音が大きいのは少し残念ではある。静音化する方法はいくつかあるらしいが、そうやっていじっているうちにそのお金でもっと外出向きのキーボードが買えてしまいそうなのでちょっと躊躇ってしまう。とりあえず、この音が騒音にならないところで使うことに決めた。

④矢印キーの存在

HHKBの中でもLiteにのみ存在するキー、それが右下の矢印キーである。Twitterで適当に検索すると、「Liteは矢印キーがあるからHHKBとしては邪道」とまで言われていたりするようだが、確かに、正直に言えばわたしも「確かに矢印キーだけなんか浮いてるよね…」と思わなくはない。しかし、矢印キーを自然と使っている場面も多く、否定しきることができないのが現状だ。しかしHHKBという、いわゆる「変態キーボード」の入門機であるLite2は、普通の配列のキーボードからHHKBに乗り換えんとする人にとってその橋渡しを確実にする役が与えられているはずだ。普通の配列からHHKBの配列へ慣れていく過程の保険として右下に矢印キーが設定されているとするならば、個人的には納得がいく。いや本当はどうか知らないけど。でもきっとそうですよね?



hamanomi-san's base/浜野実の基地

散逸したソーシャルネットワーキングサービスアカウントの集約所を2019年の今持っておこうという試み。2019.02.25開設。

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